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This is Okura 300 days project グランドステージ(ホテルオークラ東京)
Index of this Article
1. 「This is Okura」300 Days Project Grand Stage 概要
2. 観世宗家 特別公演
本館建替えまでの記念事業
「This is Okura」300 Days Project Grand Stage
ホテルオークラ東京(代表取締役社長 池田正己)では、いよいよ、2015年8月24日~31日、2015年9月からの本館建替えに伴う記念事業「This is Okura」300 Days Project の最終章となる Grand Stage を迎えます。
観世宗家特別公演
数々の国際舞台となった「平安の間」にて能楽を開催
8月26日(水)、27日(木)の2日間、二十六世 観世宗家 観世 清和師による「観世宗家 特別公演」が開催されます。
【出演】
能 二十六世観世宗家 観世 清和
狂言 狂言方大蔵流 山本 東次郎(人間国宝)
会場となるのは、京都の西本願寺に納められている国宝「三十六人家集三十七帖」料紙を元にした装飾壁が施されるなど、伝統美を継承してきた、オークラを象徴する最大の宴会場であり、1962年の開業時よりホテルの歴史が刻まれた「平安の間」です。ここに2日間限りの能舞台がしつらえられます。
この度の公演では、室町時代の観阿弥・世阿弥父子からの流れを汲む観世流・二十六世観世宗家 観世 清和師により、2日間で特別な想いを込めた4つの演目が勤められます。また狂言は、人間国宝 狂言方大蔵流 山本 東次郎師をお招きし上演されます。
観世流の拠点であり、1972年の落成より多くの能楽ファンに親しまれた渋谷 松濤の「観世能楽堂」は2015年3月をもって閉館し、2017年に銀座の地での再開場が予定されています。650年を超える文化の担い手として、次世代へ継承し更なる飛躍を遂げるべく、未来に向けて動き出した観世 清和師に「本館」最後の一大公演として、ホテルオークラ東京の未来を祈念いただくべく、はなむけの舞を披露いただきます。
観世清和師 上演演目
能 「羽衣(はごろも)」(8月26日 昼の部)
三保の松原に住む漁師・白龍(ワキ)が松に掛った羽衣を持ち去ろうとすると、天人(シテ)が現れて返してほしいという。羽衣が無くては天に帰れないと嘆く天人に同情した白龍が羽衣を返すと、天人は返礼に舞を舞い、空高く天へ帰って行く。
能 「紅葉狩(もみじがり)」(8月26日 夜の部)
平維茂(ワキ)は鹿狩りに出かけた信濃・戸隠山で、紅葉狩を楽しむ女性(前シテ)たちと出会う。維茂一行は酒宴に誘われるが、女の舞を見ているうちに眠ってしまう。やがて女たちが鬼神(後シテ)の正体を現すと、維茂は八幡菩薩に授かった神剣で戦い、鬼神を退治する。
能 「葵上(あおいのうえ)」(8月27日 昼の部)
病に伏した葵上の病状を知るために、巫女(ツレ)に占わせると、梓の弓の音に引かれて六条御息所の生霊(前シテ)が現れ、光源氏への思いを述べ、葵上を責める。横川小聖(ワキ)の祈祷の前に鬼と化した御息所(後シテ)は、小聖に立ち向かうが、やがて調伏される。
能 「土蜘蛛(つちぐも)」(8月27日 夜の部)
病に苦しむ源頼光の前に、怪しげな僧(前シテ)が現れる。僧の正体は土蜘蛛の精で、千筋と糸を投げかけ頼光を襲うが、返り討ちに合い、姿を消す。頼光の命により、独武者(ワキ)が従者を従えて、土蜘蛛(後シテ)の精の巣を捜しあて、見事に退治する。
二十六世 観世宗家 観世 清和(かんぜ きよかず, Kiyokazu Kanze)氏のプロフィール
二十六世観世宗家(かんぜそうけ, Kanze Soke)。昭和34(1959)年、二十五世観世左近元正の長男として生まれる。平成2(1990)年宗家継承。国内公演はもとよりフランス、アメリカ、インド、タイ、中国など海外公演及び「箱崎」「阿古屋松」などの復曲、「利休」「聖パウロの回心」など新作能にも意欲的に取り組む。重要無形文化財総合指定保持者。芸術選奨文部大臣新人賞、芸術選奨文部科学大臣賞、伝統文化ポーラ賞大賞を受賞。フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。
(一財)観世文庫理事長、(一社)観世会理事長、(独)日本芸術文化振興会評議委員。
著書に「一期初心」(淡交社)、「新訳 風姿花伝」(PHP)。
監修に「観世清和と能を観よう」(岩崎書店)。
観世流(かんぜりゅう, Kanzeryu)について
観世流の原型となったのは、南北朝時代に大和(奈良県)で活動した猿楽芸能の一座 結崎座でした。能楽はその後、室町時代初頭にかけて、観阿弥(清次)・世阿弥(元清)父子によって大成したと言われております。その父子の流れを汲み、今日に至るまで、能楽の中核であり続けているのが観世宗家です。観世流は現在、能楽師約700人を擁する最大の流派です。
ホテルオークラと能との関わり
大倉財閥二代目総帥であり、ホテルオークラ東京の創業者 大倉喜七郎(1882-1963)は生涯にわたって、日本の伝統文化、伝統芸能に深い造詣がありました。情熱を燃やしたホテル建設にもその影響を受けた意匠の数々が凝らされ、建設にあたっての逸話も多く残っております。隣接する日本初の私立美術館「大倉集古館」には、日本・東洋の絵画、能面や能装束などが所蔵されています。
「This is Okura」300 Days Project 観世宗家特別公演 開催概要
【日時】2015年8月26日(水)、27日(木)2日間限定
(昼の部)受付・食事11:30~ / 公演13:00
(夜の部)受付・食事17:30~ / 公演19:00
【演目】
8月26日(水)昼の部
狂言 茶壺(ちゃつぼ) 山本東次郎(狂言方大蔵流)
能 羽衣 観世清和(二十六世観世宗家)
8月26日(水)夜の部
狂言 鬼瓦(おにがわら) 山本東次郎(狂言方大蔵流)
能 紅葉狩 観世清和(二十六世観世宗家)
8月27日(木)昼の部
狂言 呼声(よびこえ) 山本東次郎(狂言方大蔵流)
能 葵上 観世清和(二十六世観世宗家)
8月27日(木)夜の部
狂言 附子(ぶす) 山本東次郎(狂言方大蔵流)
能 土蜘蛛 観世清和(二十六世観世宗家)
【会場】
公演:ホテルオークラ東京 宴会場「平安の間」(本館1階)
食事:ホテルオークラ東京 宴会場「曙の間」「コンチネンタルルーム」(どちらも本館1階)
※食事はブッフェをご用意
【入場料】SS席¥18,000 / S席¥15,000 / A席¥12,000 ※各公演共通、全指定席、食事・公演鑑賞、サービス料込み
【定員】各回450名様
【予約開始日】2015年5月13日(水)10:00~
【予約先】
ホテルオークラ東京公式ウェブサイト http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/special/kanze/
チケットぴあ TEL:0570-02-9999(Pコード:443-779)
【予約に関する問い合わせ先】ホテルオークラ東京イベント予約係 TEL:03-3224-7688(月~金10:00~17:00 / 土・日・祝日を除く)
ホテルオークラ東京について
本館につきましては、2015年8月末に営業を休止し2019年春新装オープン予定となります。別館においては2015年9月以降もご宿泊、宴会場などの施設は営業を継続、さらに4つのレストラン・バーを本館より移設し飲食施設の充実を図ってまいります。
ホテルオークラ東京へのアクセスについてはこちらを参照ください。
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日本を代表する高級ホテル「ホテルオークラ東京」(東京都港区)の本館が建て替えられることになった。半世紀以上、国内外の賓客を迎えてきたが、老朽化が進み、営業は今月末で休止する。数々の意匠を凝らした建物の取り壊しを惜しむ声も上がっている。
「オークラ・ランターン」と呼ばれるつり下げ式の照明に、梅の花を模した机と椅子が配置されたメインロビー。東宮御所にも使われた多胡(たご)石でできた波状紋の壁。本館は「日本モダニズム建築の最高傑作」とも言われた。建築家の故・谷口吉郎氏が設計委員長を務めた。
東京五輪を2年後に控えた1962年5月に開業。川端康成や司馬遼太郎が足しげく通い、米国の歴代大統領や英チャールズ皇太子とダイアナ妃、マイケル・ジャクソンやジョン・レノンも利用した。
計画では、11階建ての本館(408室)を取り壊した跡地に41階建てと16階建ての2棟を建設し、計510室程度に増やす。開業は2019年の予定だ。別館は本館建て替え中も営業を続ける。ホテルの広報担当者は、理由を「設備の老朽化により、トップホテル相応の快適な時間と空間を提供し続けることが難しくなった」と話す。本館の8割の客室は30平方メートル台。他の高級ホテルに比べて手狭な上、近隣に高層ビルが次々と建ち、眺望も悪くなった。
ここ数年、外国人観光客の増加で業績も回復傾向だ。五輪開催が決まり「世界のVIPを迎えて国際的な認知度を高めたい」との狙いもある。標準的な客室は50平方メートル前後になるという。
一方で、昨年5月に建て替えが発表されると、本館取り壊しを惜しむ声が相次いだ。国際的な近代建築の顕彰組織「DOCOMOMO(ドコモモ)」日本支部は今年7月、計画の再考を求める要望書をホテルに出した。代表の松隈洋・京都工芸繊維大教授(近代建築史)は「敗戦後の日本が東京五輪で国際社会に復帰する際に、日本人の設計で、日本人の手によって建てた結晶。本当にもったいない」と訴える。イタリアの高級ブランド「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエーティブ・ディレクター、トーマス・マイヤー氏は同社のサイトで「伝統的な職人技が随所に用いられているのにとてもモダン。保存されることを願っている」と発言した。ホテルで撮影した写真を画像共有サービス「インスタグラム」に投稿するよう呼びかけ、投稿は4千件を超えた。米ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、英エコノミスト誌も建て替えに批判的な社説や記事を掲げた。
谷口吉郎氏の長男で、建て替えに共同設計者の一人として参加する谷口吉生さんは「ロビーは現在のものを復元しつつ、現代にふさわしいものとして生まれ変わらせる。ホテル2棟と(敷地内にある美術館の)大倉集古館に囲まれた広場も設計する。歴史を継承すると同時に、次の50年、100年も生き続けられるデザインを目指す」とホテルを通じてコメントを出した。
都心の老舗高級ホテル、相次ぐ改修
東京都心の老舗高級ホテルは近年、歴史の継承にも気を使いながら、相次いで大規模な改修を進めてきた。
ホテルオークラとともに国内ホテルの「御三家」と呼ばれる帝国ホテル東京は、2010年までの7年間で約180億円をかけ、全室の内装を一新するなど本館を改修。14~16階には専任の「ゲストアテンダント」を配置するなどサービス面の向上にも気を配った。
もう一つの御三家のホテルニューオータニも、2007年までの2年間で約100億円をかけて大規模な改修を実施。12階と11階の87室は「禅」をテーマにしたフロアで、国内外の富裕層の取り込みを図ってきた。客室窓を大きくするため、外装に大型ガラスを採用。元の壁面から色調が変わらないよう特注したという。広報担当者は「お客様に慣れ親しんで頂いている見た目を大きく変えないようにした」と話す。